ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

ママはニコちゃんの大好きな宝箱

 朝、起きてから、5時半までに起きれたら、ご飯を炊く。起きれなかったら、諦める。お弁当のおかずを作って、お弁当箱に詰める。残りをニコちゃんのお弁当箱に入れて、朝ご飯にする。

 そんな日は稀だ。大抵は二度寝、三度寝をして、夫が朝ご飯を食べる横に座って、夫の朝ご飯を半分貰う。夫が入れたカフェオレも半分掠め取る。夫がスーツで着飾って、ピシッとした全身を、頭ボサボサのパジャマ姿で見送る。

 それから、洗濯物を回して、化粧をして、ニコちゃんを起こす。中々起きなくて、今日は布団から転がしてみた。畳の上でも寝続ける。しぶとい大敵である。

 起きてすぐ指定の体操服に着替えさせて、朝ご飯を食べさせる。朝ご飯を食べさせながら、髪の毛をくくる。大抵私は「遅刻しちゃう、早くして」を繰り返している。食べ終わったら顔をガーゼで拭く。

 朝ご飯を食べながら、突然ニコちゃんが「ママはニコちゃんの大好きな宝箱」と言って、抱きついて来た。多分、宝物だと言いたいのだろう。ママがニコちゃんは宝物だと言うのを、真似したのだろう。それでも嬉しい。言い間違いが可愛い。

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 夫が、コメダ珈琲のキウイのかき氷を食べたがったニコちゃんのために、キウイを買って、ブンブンチョッパーでジュレにして、砂糖から作ったシロップで割って、キウイシロップを作ってくれた。私はかき氷を上手に作れないので、ニコちゃんが「かき氷食べたい」と言った時は夫に任せる。

 夫が氷が細やかで、美味しい。キウイシロップも、とても美味しかった。家で作ってもらうものは、とても贅沢で、美味しい気がする。私が出来ないことを出来る人は、単純に尊敬する。

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 3歳くらいの子供の99%はママなのだと、姉が言っていた。ママが嬉しいと、子供も嬉しいらしい。子供が生まれてから、夜の飲み会も、贅沢なディナーも、ゴールデンのバラエティも、夫と2人での漫喫もカラオケも、映画館も、ウィンドウショッピングも、色んな楽しみが制限された。

 けれど子供が生まれなければ、夫や亡き祖父の涙も、父の優しさも、姉の気配りも、母の愛も、見ることは出来なかったかも知れないと思う。何より子供に愛されることが、どんな意味を持つかなんて、想像出来なかった。ニコちゃんのお陰で、夫のお陰で、人生最良の日がちょくちょくアップデートされる。

 テレビの中の人が言っていたけれど、「妻は僕と結婚しなくても幸せになっていた。けれど僕は妻と結婚しなければ、幸せになれなかった」の言葉が、とても良く分かる。立場は逆だけど、私もたぶんそうだと思う。