ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

ママが怒らない方法を一緒に考える

「今日もママ怒った」寝る前にニコちゃんが言う。「どうやったらママ怒らへん?」「何のお手伝いすればいい?」モンスターらしからぬ謙虚な発言。そうか。ニコちゃんも私が他の人の不機嫌が怖いように、ママの不機嫌が怖くて堪らないのかも。

 どんな時にママ怒った?と尋ねると、「お茶こぼした時」お茶?こぼしたかな?怒ったかな?記憶にないけれど、こぼした時はその上を踏まないでね、とお願いすると、「水たまりみたいで楽しいねん」分かる。分かるよ君の気持ち。ママもお茶2リットルぶち撒けた時はその水たまりを踏んで、ピチャピチャ音がして楽しかった。

 保育園を休んで、一日一緒にいた。赤ちゃんよりもニコちゃんを優先して抱っこした。しまむらに買い物に行ってもニコちゃんのものばかり買った。ママの服を一緒に考えてくれた。楽しい一日だとママは思っていたけれど、ニコちゃんにとったら今日もママが怒ったという感想になった。悲しいな。ニコちゃんにも同じように伝えると「ママもいつも同じように言ってる」と。そうか。ニコちゃんはママの鏡なのか。

 ◆

 ニコちゃんのアウターが小さくなったので、新しいアウターをしまむらに買いに行った。インスタに載っているような可愛い服が沢山あって、テンションがぶち上がる。けどニコちゃんはそんなインスタ服よりもアナ雪の服を選ぶ。ブレない。ブレないけれど、大人っぽいニコちゃんには大人びた服の方が似合う。

「この広告のお姉ちゃんの服めっちゃ可愛くない?」と、第三者目線で訴える。めっちゃ可愛い〜♪と、女優になった気分で猛アピール。お姉ちゃんに弱いニコちゃん。何とか英字が入ったシンプルなアウターに替えてくれる。「ママは広告の真似ばっかり」よくご存知で。広告の真似をしておけば間違いないと思ってる。

 しかしニコちゃんは色々よく知ってるな。さては人生2回目なんじゃないだろうか。けどママはそんなニコちゃんの弱点を知っている。それは鉄棒。あと自転車。まだ出来なくて当たり前だけど、近所のお友達が運動神経いい子ばっかりで、ニコちゃんは泣いて悔しがって「もう(お友達の名前)ちゃんと遊ばない!」と本人に向かって言う。ママが困るので特訓をしようと頑張ったけれど、鉄棒に1秒もぶら下がれない。どうにか頑張って逆上がりが出来る子になって欲しい。ママは出来なかったけど。カエルの子になるか、鷹になるのか。がんばれニコちゃん。応援するよ。

殴られても笑え、なんて

ニコちゃんと喧嘩した。私のスマホでゲームがしたいと言って、広告が出たと言って来たけど私が家事をしていたので後でと言うと、ソファの背もたれの上にスマホを置いて、テレビでYouTubeを観出した。

不安定なところにスマホを置いたものだから、案の定、ニコちゃんが飛び跳ねたりしてスマホが床に落ちる。ニコちゃんも私もその音に気付いてスマホを見て、次いでお互い目が合った。そしてニコちゃんは無言でソファに座り直してYouTubeの続きを観た。

ちょっと待て。「何か言うことないの?」問うても無視するのでニコちゃんのYouTubeを切った。YouTubeを切られてニコちゃんはめちゃくちゃ怒る。「謝って」言葉にしても謝らない。またYouTubeを付ける。

ニコちゃんの畳んであった服をワザと床に落とす。ママ謝らないからね、と言うと怒る。ニコちゃんは謝らなくていいのにママは謝らないといけないの?と聞くと頷く。YouTubeとママとどっちが大事なのかと聞くとママと答えるくせに、恐るのに区切りを付けて寝に行こうと言うとYouTubeを観足りないと泣く。

子育てをしていると、私は時々殴られっぱなしだなぁと思う。そして不機嫌になると怒るなと怒られる。殴られても笑えってか。奴隷やん。奴隷以下やん。

不機嫌や怒っている理由はニコちゃんにあるのに、ニコちゃんはお構い無しでつまらないから面白いことしてと言う。ママのことをピエロか何かと思ってるのかも知れない。

絶賛上の子可愛くない症候群やわ。何をされてもイライラして嫌悪感を持ってしまう。こんな自分がイヤ。怒りたくないのに怒ってしまう。

自分のトリセツを子供に渡すというインスタグラマーさんの言葉にうんうんと頷ける。ママだって人間で、怒りの閾値だってある。何でも好き勝手されて許せない。出来ると知っているのに出来ないと言われても、赤ちゃんを抱っこしてたら怒ってしまう時だってある。

けどまだニコちゃんは4歳なんだよな。大人びて見えるし口もマセてるから時々本気で腹が立つけど、まだまだ赤ちゃんの部分だって沢山あって然るべきで、甘やかされるべき存在なんだよな。ママが2人いたらいいんだけど、そうもいかないよな。

自分の出来ることを過信せず、毎日ちょっとずつちょっとずつ最低限のことだけやっていこう。全力でやらなくていいから、余裕をもって笑顔でいよう。子供を見つめよう。生活するって、人の世話をするって、難しいな。

母親失格、やのに母親しか勝たん

 やってしまった。金曜日で疲れていたとは言え、ニコちゃんのワガママに寛容になれず、怒鳴ってしまった。

 ◆

 ニコちゃん、今日は早起きだった。ママのスマホでパパにLINE絵文字を送る遊びをしているうちに、しれっとパパが残した朝ご飯を食べさせて、YouTubeを観させていた。ゴミの日だったのでゴミを出して、妹ちゃんを着替えさせて…としているうちに、保育園の登園時間を過ぎてしまった。慌ててニコちゃんに靴を履くように急かす。

 ニコちゃんは一人で靴を履ける。ほっとくと一人で履いている。けれども最近は実家や保育園の帰りで、ママに履かせて欲しいと甘えることが殆どだった。甘えさせてやれることは甘えさせてやろうと、優しくしていたのが間違いだったのか。生後3ヶ月の妹を抱っこして焦っているママにも甘えた。

 赤ちゃんを抱っこしたまま、ニコちゃんの靴を履かせる。ワガママを聞いてやらないと後々もっと面倒くさい(泣いて動かない)からだ。履かせてやっているのに「違う!」「ここまで止めるの!」と偉そうに指図するニコちゃん。妹ちゃんの頭の汗を取るために、腕と頭の間に敷いていたタオルが腕から抜け落ちた。

 ぷちん。「文句言うんやったら自分でやりぃや!」「うっとぉしいな」心で思っていても口には出すまいと思っていた暴言が、思わず飛び出してニコちゃんを刃物となって傷付けていた。ニコちゃんの顔を見て、胸が痛んだけれど、怒りが収まらない。私ってこんなひどい人間だったんだ。ニコちゃんを傷付けて、傷付く資格なんかないのに、私も傷付いていた。

 泣きそうになりながらも、成長したのか、耐性が付いたのか、泣くことも甘えることもなく、保育園に行ってくれた。昨日の夜も焦る私の道を塞ぐニコちゃんに、怖い声で「邪魔」と言ってしまったけれど、泣かなかった。寝る前に大好きだよ、と伝えているのが功を奏したのか。ママの大好きを信じてくれている?

 ◆

 ひどい言葉を使わないように気を付けたい。今は大丈夫でも、いつ大丈夫じゃなくなるか分からない。何がトラウマになるか分からない。ニコちゃんと妹ちゃんの心に傷を付けないように気を付けたい。

 けれども好き勝手に感情やワガママをぶつけられ続けるのは凄く疲れる。心が疲弊する。より効果的に伝わるように、直情的で短絡的な言葉を使ってしまいたくなるけれど、頑張って柔らかい言葉でなるべく注意できるように気を付ける。傷付けてしまったらすぐに謝る。

 今日は、リカバリーできなかった。いつも通りに接することで精一杯だった。保育園から帰って来たらごめんねを言おう。ひどい言葉を使ってごめんね。

 ◆

 妹ちゃんは、ママじゃないと、どんなに優しく抱っこしても泣き止まない時がある。大抵は眠い時か、お腹が空いた時だ。そんな時も、妹ちゃんからの愛を感じる。

 そんな風に妹ちゃんからの愛情を信じることが出来るのも、ニコちゃんのお陰だ。ニコちゃんが大きくなって言葉で私に愛情を伝えてくれるようになったから、赤ちゃんの考えてることが分かるようになった。

 それなのに、イライラした時はニコちゃんに八つ当たりをしがちで、ひどい母だと思う。脅しても意味がない赤ちゃんには怒らずに、脅しが効くニコちゃんを脅してしまう。脅すのは良くないと言う専門家の記事にクソくらえと思いながら。ほんと良くない。そう思う一方で、脅さないとワガママをコントロールしきれない、とも思う。

 親の力不足だと詰られても、コントロールできないのは事実なのだ。親になるべきじゃなかったと言われようが、今親なのだ。命を健康を守ることに必死なのだ。共感できなければ放っておいて欲しい。批判するのは共感力がないと自分の価値を下げることと同義語だ。

 私は親として欠陥しているから子育てに苦労する。人間として失敗作。それでいい。それでいいから、心の中で何を思うも人の自由だから、私の心まで強要しないで欲しい。入って来ないで欲しい。コントロールしようとしないで欲しい。私が必要なものは、私が決める。お願いだから、ひどい言葉を浴びせないで欲しい。同じ思いをニコちゃんにさせたらあかん。

早寝早起き

 ニコちゃんの妹が生まれてから101日が経った。首が殆ど座って、96日目には寝返りすらした。ニコちゃんも早かったけど、妹ちゃんも早い。2人とも首が完全に座る前に寝返りをする。

 それから、目が合うと笑ってくれるようになった。最後2ヶ月くらいから見られる笑みは、社会的微笑と言うそうで、生後間もなく見られる新生児微笑(生理的微笑)とは異なるそう。新生児の寝ている時の一瞬の微笑みも可愛かったけれど、顔を見て笑ってくれるのもめちゃくちゃ可愛い。4ヶ月になると、人を選んで笑ってくれるようになるそうなので、楽しみだ。

 涼しくなってきたので、ニコちゃんのお迎えを一緒に行ったりもする。抱っこ紐の心地良さを知ってしまって、夜も抱っこ紐じゃないと寝ない日があった。ニコちゃんも抱っこ紐大好き芸人だったので、よく似た姉妹なのかも知れない。顔はニコちゃんがママ似、妹ちゃんがパパ似と言われるけれど。

 ◆

 妹ちゃんは朝が早い。6時から7時の間には目が覚める。放っておくと10時頃まで寝るニコちゃんと全然違う。夜も早い。夜7時になると眠たくて泣く。大体8時から9時の間で寝て、深夜2〜3時と明け方5時頃に泣いておっぱいを飲む。ラッキーな時は2〜3時に1回で済むけれど、ここ数日は3〜4回起こされる。

 夜間授乳をしながら一度妹ちゃんを落っことしてしまったことがある。その時は畳に布団で寝ていて、医療機関に電話で相談して、何日か様子を見て大丈夫だったのだけれど、また落とすのが怖くて、眠さが限界の時は添い乳に切り替える。

 添い乳も窒息の危険があるけれど、落とすよりはマシ。妹ちゃんが寝るとベビーベッドに移動させる。そのままにしておくとニコちゃんに上に乗っかられたり蹴られてしまいそうで怖いので。ニコちゃんの寝相は凄い。パパとニコちゃんとママの3人で、シングルベッドを2つ繋げて寝ているけれど、大体川の字じゃなくてアルファベットのHの字になっている。

 ◆

 妹ちゃんが早寝早起きなので、ニコちゃんも早く寝てくれるようになった。妹ちゃん様々である。妹ちゃんだけ先に寝かせることもあるけれど、以前は10時11時にしか寝なかったニコちゃんが、今は8時とか9時に寝てくれるようになった。布団に入っても中々寝なくて、結局寝るのは10時になったりする日もあるけれど、それでも寝室に入ってくれるだけで大進歩だ。

 ニコちゃんが余りにもワガママ星人なので、最近は「ママもうご飯作らないよ」「お風呂一緒に入らない」「もう一緒に遊ばない」「妹ちゃんと家を出る」と脅している。発動順位としては、優しく注意>キツめの口調で叱る>脅す>鬼から電話、で、なるべく言わないようにするのだけれど、言うことなんて聞かない。聞けない。私の堪忍袋が切れるタイミングも、日に日に早くなって、叱るをすっ飛ばして脅してしまう毎日。反省。

 いつでも何があっても優しく思いやりに溢れた母親でいたいのに、現在は理想像とは程遠い。赤ちゃんとニコちゃんを死なないようにするだけで精一杯の時が殆どだ。3人の子供を育てていて、3歳の長男を殴ってしまった被告の母親の気持ちが分かる。画面の向こうにいるのは、もしかしたら私かも知れない。孤独だという育児中の人の言葉に救われる。昏い気持ちでいるのは、私だけじゃないのだ、と。

 ◆

 ワクチン接種の2回目が済んで、会場で待機中です。今のところ副作用もアナフィラキシーも血管迷走神経反射もなく、一安心。誰かと常に連絡を取れるようにして、今後に備えます。

寝ぐずり抱っこでキョロキョロ

 ワクチンの予約が取れた。田舎なので、親戚一同連絡を取り合って、朝の8時半から私の分を取ってくれて、叔父と叔母が行きつけの小さな医院で夫の分を押さえてくれた。私は同院に電話をして、夫の番号を伝えて日時を確定させた。

 千葉で痛ましい事態が起きた。妊娠8ヶ月の女性がコロナウィルスに感染し、お腹の張りや出血を保健所に訴えたものの、コロナ患者を受け入れる産科が見つからず、自宅で出産を余儀なくされ、その赤ちゃんは救急搬送された病院で亡くなってしまった。つい最近まで妊婦だった身として、他人事とは思えず、居た堪れない。

 私の姉も妊婦だ。そのニュースを見る前だろうけど、偶然にも姉もコロナワクチンの予約を昨日取った。アメリカからは、妊婦もワクチンを打つよう推奨する声もある。半年前までは妊婦のワクチンは各自の判断に一任されていた。情報は毎日、毎時間、更新されていく。

 ◆

 ウィルスが怖いので、基本毎日家に引き篭もっている。けれどもニコちゃんを保育園には行かせている。ニコちゃんは家にいたがるけれど、色々な理由をつけて保育園に送り込む。けれども毎朝「今日、保育園、休み?」と尋ねられて、行きたくないのかと訊くと、「行きたくない」と答える。保育園は楽しいけれど、家にいる方が楽しい、のだそう。可愛い奴め。

 可愛いけれど、イライラする時もある。今朝も、夫が出勤した後に、イヤイヤをされながら1人で保育園に行かせる準備をしていたところ、ニコちゃんが今日がゴミを出す日だと気づいて、「ママ、今日ゴミの日ちゃうの?ゴミ出した?」と聞いてきた。まだ出してないよ、これから出すところだと言うと、「何してんの、早く出しや!」と諫めるように命令されて、カチンと来た。

 いやママ、ニコちゃんが準備しないからしてあげてるんですけど?ゴミ出せ言うんやったら自分でして!と言うと、「自分でするから早く出してきぃや!」とまだ偉そうに言って、ご飯どこにあんの?と聞くので説明すると、朝ご飯を食べ始める。普段どれだけニコちゃんのために尽くしているか分かっているのか、と、ムカムカしながらも、せっかくのやる気を伸ばすために言うことを聞く。

 自分のやりたいことやしたいことを中断して、人に言われたことを即座にするのは、我の強い私にとってものすごくストレスに感じる。けれどもそれは私の欠点であるし、そんなことで我が子に目くじらを立てる自分の器の小ささが恥ずかしくなる。ニコちゃんは偉そうにするけれど、自分でやると言ったことはしてくれるので、そこは頼もしいと思う。

 ◆

 我が家の2ヶ月の赤ちゃんは、寝ぐずりがすごい。普段は放ったらかしにしていても、機嫌良く1人で遊んでくれているのだけれども、眠い時は何が何でも泣く。多くの赤ちゃんがそうだと思うのだけれど、抱っこして歩かないと泣く。歩くのを止めた瞬間、もしくはベッドやスイングに置いた瞬間、火がついたように泣く。泣くのが激しければ激しいほど、抱っこして歩くと数分で寝る。機嫌が悪い日は、一日中抱っこする羽目になる。それもまた良き思い出になる日が来る。

 今朝そんな訳で泣いたので抱っこしていると、キョロキョロと周りを見回す。毎日いる部屋で、物珍しいものはない筈なのに、初めて見るかのようにキョロキョロと目玉を動かす。そこではたと気が付いた。床で寝ている時の視点と、大人に抱っこされている時の視点は、まるで違うのだ。毎日見る部屋でも、初めて目にするものが沢山あるのかも、と。

 私は人の気持ちを察するのが苦手で、先日も、夫の意志を汲み取れず、見当違いな気遣いをした。結果、夫の手間と負担を激増させた。あとからそのことに気付き、猛省した。私にはそんなところがある。思いやりとか気遣いとか空気を読む力に欠けている。観察力がないのだ。

 けれども一度気付くと、色々な想像を働かして、先回りして世話を焼くことが出来る。読み違えていることも多々あるけれども。自分の悪いところばかり目について落ち込むので、誰か私の良いところを毎日教えて欲しい。夫は決して私の欠点を指摘しないので、一緒にいて息が詰まることがあまり無い。いや殆ど無い。全然ない。きっと私の気付かないところで、色々我慢してくれているのだろうと思う。ごめんね。ありがとう。

 全然気付かないけど、気付けたことは前進の証だと思うので、大切にしたい。まだまだ気付けていない沢山のことがあるだろうけど、恥ずかしいけれど、昨日より今日、今日より明日で、少しずつ変わっていけたらなと思う。難しいかも知れないけど。取り敢えず姉に、出産祝いのお返しを考えるのと、出産祝い何がいいか考えといてと伝えよう。

ママが大好き

 抱っこ布団に置くと怒る、入眠して間もない生後2ヶ月と2日の第二子を抱きながら、この子は私のことが大好きなのだと、しみじみ思う。温かくて柔らかくて清潔な、すべすべでモチモチの大仏のような寝顔を見ながら、そう思った理由や、天使だと思ったことを振り返る。

 ◆

 出産した病院にいる時から、「お母さんの側にいると大人しいね」と呆れたように笑われていた。なぜなら、「ナースステーションにいた時は、ものすごく泣いていた」そうだから。「お母さんの近くにいると安心するのかな」と、看護師さん(助産師さんかも知れない)が言う。その時は偶々だろう、と思っていたのだけれど。

 実家に帰ってからも、私が上の子を連れて出かけたりして家を空ける度に、理由もなく手がつけられないほど泣いて、電話がかかってきた。その時はおっぱいが足りてないのかと思っていたけれど、今振り返ると私が足りてなかったんだと思う。

 家に帰ってからも、私が出かけると、泣く。夫はその間、ずっと5キロ以上ある赤ちゃんを抱っこして歩き回らなければならない。用事を済ませて家に帰ると、夫はいつもげっそりしている。

 冗談めかして夫は「ママセンサーが付いてる」と言う。私が離れると作動する。私が家を出る時に、おっぱいをたらふくあげて寝かしつけても、玄関の扉が閉まった途端に目を開けて泣くらしい。本当にセンサーが付いているのかも知れない。

 ◆

 私がいないと泣いて大変な子だけれども、私がいると大人しいので、私はあまり手を焼いていない。(その分私の周りの人が大変な思いをしている。)眠い時と、お腹が空いた時(喉が渇いた時)以外は、ほったらかしにしていても、非常に大人しい。テレビを見ながら、手足をバタバタして遊んでくれている。

 その代わり、寝ぐずりとおっぱいが欲しい時の泣きが半端ない。家中に、いや下手したら近所中に響き渡る大絶叫で、この世の終わりかってくらい泣き叫ぶ。眠い時は必ず泣く。泣いたら眠いって分かる。抱っこして歩くと、一瞬で寝る。究極に眠い時は、大好きな魔法のおっぱいすら拒否する。抱っこして歩く以外は全力で泣いて拒否する。非常に分かりやすい。

 眠さが最大の敵で、眠くなければ大体機嫌が良くて、放置してたりする。用事やリフレッシュが終わって、赤ちゃんを覗き込むと、目が合ったらニコッと笑ってくれる。マジ天使。もう天使。むちゃ天使!!

 赤ちゃんは5つのタイプに分かれるって聞いたことあるけど、間違いなくこの子は天使タイプ。祖母が「寝る子はマメな親助け」って、口癖のように言うけど、ほんとに親助け。天使タイプの友達の子を羨ましく思ったりもしたけど、本当に天使タイプの子っているんですね。ビックリ。

 ◆

 グニャグニャでほわほわでポカポカな、この子を産んで本当に良かったと思う。ニコちゃんの時も幸せだったけど、辛かったと思うことが多くて、でもニコちゃんのことを大好きなんだけど、けど今の方が子育ての幸せを噛み締めてる感がある。

 自己否定や不安が少なくてメンタルが安定している。メンヘラな私にとっては非常に嬉しい誤算。母も、私を産んで、同じように子育ての幸せを噛み締めてくれていただろうか。それなら私の産まれた意味もあると思いたい。まあ、例え母に否定されても、私には子ども達と夫がいてくれるから大丈夫だけど。

 夫と暮らすようになって、母から離れて、夫から色んなことを教えてもらった。ニコちゃんが産まれて、色んなことを学んで、この上なく愛してもらえた。2人目が産まれて、絶対的味方がもう1人増えた。

 けど、陣痛は足が勝手に震えるくらい恐怖なので、3人目はもういい気がする。とか言って、出来たらどうしよう。しばらくは、4人でボチボチ頑張りたい。

妊娠育児のしんどいこと、幸せなこと

 妊娠も育児も大変なことだと思う。おめでたいことだけれど、キラキラいいことばかりではない。想像していた以上に、色々なしんどさが襲ってくる。

 何がしんどいのか、考えてみたいと思う。

 ◆

 まず、2度の妊娠を経て感じたこと。妊婦は、90歳くらいのおじいさんおばあさんのようなものだと思う。こけたらダメ、重いものを持ったらダメ、体のあちこちが痛い、足元が見えなくて動きにくい、ジャンプしたらダメ、運動したらダメ。

 若いというアドバンテージはあるものの、お酒は飲めない、タバコは吸えない、コーヒー紅茶・緑茶ウーロン茶もダメ、お刺身お寿司ダメ、チーズもダメ、ローストビーフもダメ、風邪を引いたらダメ、あらゆる薬のほとんどがダメ、湿布もダメ、となると、どっこいどっこいな気もする。

 幸せだな、ありがたいな、恵まれてるな、という気持ちも、もちろんあるのだけれど、吹けば消えそうな命を常にお腹の中に抱えている責任と重圧による不自由さは、経験するまで分からなかった。

 感じ方は人それぞれだと思うけれど、最悪を考えがちな性格の私には、思った以上にしんどかった。2度目の妊娠は、1度目の妊娠の後悔や反省を活かして、気にしすぎないように気を付けた。それでも100%安心して過ごすことは到底不可能で、胎児が生きているか、気にしてもどうにもならないことを、常に気にしていた。

 ◆

 赤ちゃんがお腹の中から出てきてくれてからは、妊娠中よりは不安は減った。けれども生まれて暫くは、赤ちゃんが寝ている間も息をしているか、1時間に1回は確認した。

 2回目の乳児育児は、1回目よりも責任感が軽い。1回目の時に、ガルガルしすぎて、責任を預けることをしなくてしんどかった。反省して、あらゆる人に頼ると、責任が軽くて救われる。意識して頼らなければならないのだと思う。

 ◆


 乳児期の、特に離乳食前の時は、1ヶ月くらいで長くて2〜3時間、4ヶ月くらいで3〜4時間しか母乳育児の場合、母親は乳児から離れられない。ミルクを飲ませたらもっと長い時間可能だけれど、うちの子の場合、母親がいないとそれだけで泣く。

 この2時間縛りも地味にしんどい。赤ちゃんが可愛くて、片時も離れたくない反面、買い物をしたり、お茶を飲んだり、責任から解き放たれてリフレッシュする時間も少しは欲しい。離れても赤ちゃんのことが心配になったりするけれど、少しだけでも誰かが責任を肩代わりしてくれると、めちゃくちゃ助かる。また頑張れる。

 ◆

 ある程度おおきくなると、言葉を発して、自分で歩いてくれるようになると、すごく助かる。特に言葉で思うことを伝えられるようになると、子供も親もだいぶラクになる気がする。2〜3歳になると、「大好き」だとか、「ママに会うために生まれてきた」とか言ってくれる。そんな日は私の人生最良の日になる。

 4歳になると、自制心も少しずつ育って来て、ママのお願いを聞いてくれることが多くなる。赤ちゃんを愛でてくれて、赤ちゃんのためのガーゼを引き出しから取ってきてくれたりする。積極的に赤ちゃんと関わろうとしてくれる。

 その反面、まだまだ甘えたい気持ちもあって、したらダメなことを怒りすぎたり、大きな声を出すと、じっと黙って、ゆっくり泣き出す。いつもギリギリのところで踏ん張って、ニコちゃんなりのいい子を演じてくれているのかも知れない。泣いた時は、抱き締めて、甘えさせる。

 甘やかしすぎだと言われるけれど、固まる前のコンクリートのような子どもの心に、傷を付けることが怖くて必死に塗り直してしまう。私は失敗作だと言われてしまったけれど、この子にそんな言葉をかけるような親にはなりたくない(と思っているけど、なってしまうかも知れない)。

 ◆

 子供は2人欲しかった。まだ大人になる前に想像していた未来設計図を叶えられて、2人の子を見ていると、どれだけ泣かれても腹は立たない。幸せだなぁと思う。

 けれども泣き続けられると、というよりワガママを言われ続けると、イライラしてきてしまう。不徳の致すところだけれど、自然現象なのでどうしようもない。せめて態度にイライラは出さないように努力はする。自分勝手な人間だけど、これが私なのだと諦めて受け入れている。

 子供も私の自分勝手な性格を色濃く受け継ぎ、同い年の従姉妹に向かって、謝ってくれているのに謝り方が気に入らないと難癖をつける。私も昔、小学校の頃に、今は亡き祖父に向かって同じ難癖をつけて、祖父をキレさせた。そういうところは直した方がいい。

 ◆

 ダメなところは色々あるけれど、いいところも沢山知っている。なるべくいいところをフィールドバックしてあげたいと思うけれど、毎日それはダメ、あれもダメ、とダメ出ししかしていない気がする。

 親子共々精進します。