ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

小さな大人

小さな大人と毎日を過ごしている。この世に生を受けて、まだ1年と2ヶ月ぽっちの小さな大人。歩くのもたどたどしくて、ドアも開けられなくて、寝転ぶママの上に自分からよじ登って顔から落ちる、存在感だけが大きい小さな大人。

喋れる言葉はママと開けてと貸して。ママ好き?パパ好き?と聞いても何も答えないのに、お姉ちゃん好き?と聞くと「うん!」と答えるシスコン。お姉ちゃんはどこまでも優しい。ママは叩くけど、赤ちゃんのことは決して叩かない。階段も抱っこして降りさせる。危ないから辞めて欲しい。

パンを無限に食べる。大人よりも食べる。パンコーナーに置いてあるパンが、気付くと全部無くなっている。1日3回はするお花摘みの匂いは、大人並に芳しい。ご馳走様をした後も、もりもりと食べ続ける。それなのに、細い。平均身長よりも上で、平均体重よりも下。太腿に汗をかく母からすると、羨ましい限り。

ブロッコリーが好き。枝豆も好き。ポテトを覚えた。トウモロコシは丸かじり。唐揚げも春巻きも食べられる。海苔はそのまま食べようとする。ゆで卵が好物。毎日昼ご飯は納豆と豆腐(ママの手抜き)。

お出かけが大好きで、出かけようかと言うと、1人で玄関に行こうとする。玄関に行くと、靴を履こうとする。夜お布団で寝られるようになった。起きても暫く泣いて布団で寝てくれるようになった。母乳を飲まなくなって、もうすぐ1週間が過ぎようとしている。ママは毎晩2年ぶりの飲酒を楽しんでいる。

ニコちゃん(お姉ちゃん)の下の歯がグラグラし出した。保育園の同級生にはもう4本歯が抜けた子もいるのだけれど、うちの子はまだだと思っていた。早い子は抜けるものなのだな。歯は抜けたら屋根の上に投げようと思う。夫とそう決めた。

お盆前の短い夏休み。セミの声は小さくなった。焦げるような陽光も、あと少し。永遠に感じる時間も一瞬で、季節も、気持ちも、成長も、あっという間に移ろいゆく。一瞬を留めておける最適な記号は何なのか、数え切れない形の中から、零れないように、ふるい落とすように、広い集めて飾り付ける。