ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

生まれた理由と、分かって欲しい気持ち

 昨日、大型台風が日本に接近し、各地に大きな影響を与える中、初めての育児の中で捧げた3年に、ようやく終わりを迎えた。

 マスクを付けたまま、2時間もの間、走ったり、電車に揺られたり、見知らぬ通路を看板を頼りに長い時間歩いて、やっと辿り着いた目的の場所。たくさんの人が行き交って、会場の前で同じ学校の仲間同士で写真を撮って、トイレを済ませて、試験開始までの30分の間、少しでも足掻こうと過去問を解いた。

 試験は見たことのない問題ばかりで、自信があるのは50問中34問だけだった。30問正解で合格なので、ギリギリ合格ラインといったところ。全問正解を目指して頑張ったのに、情けない。母と夫に褒められたかったのに。

 終わって級友と感想を言い合う。口々にみな難しかったと述べて、私一人じゃなかったんだと安心する。自己採点の結果、48問正解だった。100点満点に換算すると、96点。100点ではなかったけれど、頑張ったことを母と夫に報告し、承認の言葉を貰う。嬉しかった。

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 家に帰ると5時過ぎだったので、近所のハンバーグ屋さんに外食に行くことを提案する。夫とニコちゃんは昼に回転寿司を食べに行ったそうで、ニコちゃんはガチャガチャのオモチャを嬉しそうに見せてくれる。

 ニコちゃんが1キロほどある距離を歩くと言うので、夫に車を運転してもらい、ニコちゃんと手を繋いで歩く。ニコちゃんがしばらく歩くと「ニコちゃんはなんで生まれて来たと思う?」と尋ねてきた。「なんでなん?」と尋ね返すと、「ママに会うため」と言ってくれた。「ママに会いたかったから生まれてきてん」と続ける。人生で一番嬉しい言葉かも知れない。

 ハンバーグ屋さんまで、ニコちゃんが走ると言うので一緒に手を繋いで走る。今までなら、すぐに「抱っこ」と甘えていたのに、ちゃんとハンバーグ屋さんまで走り切れた。保育園でかけっこの練習をしているからか。ニコちゃんの成長にまた驚かされる。

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 家に帰るとyoutubeを付ける。お風呂に入って、歯磨きするのも、私が「そろそろ寝よう」と言うのにも、すぐに聞かずにyoutubeを夢中で見続ける。早く寝かしたくてyoutubeを消すと、夫に「ママが意地悪する」と告げ口する。夫は私の味方をするも、ニコちゃんは不満顔。足の爪が割れていて、爪を切ろうと寝室を出ると、途端にニコちゃんが大号泣する。

 泣くニコちゃんをポンポンして、「どうしたん?」と聞くも答えない。「ママが怒ったと思ったん?」と聞くと首を縦に振る。「怒らないよ。ママ、ニコちゃんのこと大好きだよ」と言って抱き寄せると、泣き止んで、そのまま眠る体制に入った。

 「ママに会うために生まれてきた」と言ってくれたニコちゃんを、泣かせてしまったことに涙が出た。情緒不安定な母親だ。夫の腕枕で泣いていたので、夫の腕に涙を擦り付ける。夫は涎だと思ったらしく、「ちょ、やめて」と焦っていた。

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 ニコちゃんは、自分の気持ちを分かってもらえないことが、どうも泣くほど嫌らしい。けれどそれって、いつも泣かないのは、気持ちを分かって貰えてると思っているということだと、ポジティブに受け止めよう。子育てに正解や不正解なんて無いのだ、きっと。笑顔でいれたら、生きてくれてたら、それでいい。

 と、思いながらも、泣かせてしまったことに落ち込む未熟母。けどきっと人間死ぬまで未熟なのだ。相手の気持ちを考えることを、忘れないよう気をつけたい。