ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

人生で初めて胡座をかいた日

 ニコちゃんが、胡座をかいた。朝ご飯を食べながら、私の持つ皿から、持ちやすいように輪っかのついたお箸で、器用に缶詰のサバの柚子味噌煮を食べながら。

 足が長すぎて胡座がかけないスタイルが良い黒人が出てくる携帯小説を読んだ。ニコちゃんは胡座がかけてしまった。黒人と比べるのも変な話だけれども。

 夫がいつも靴下を脱ぎ捨てるのと同じ場所に、ニコちゃんも靴下脱ぎ捨てた。ご飯を食べる時、夫はソファータイプの横に長い椅子の上で胡座をかく。胡座も夫の真似なのか。ニコちゃんは、すぐに大人の真似をする。

 最近よくニコちゃんとバトルをする。朝ご飯にアポロチョコを食べたいと言ったり、寝るのにベッドではなくソファーでYouTubeを見ながら寝ると言ったり、ワガママはなるべく聞いてあげたいけど、限度がある。

 叱るのも愛情なのだ。我慢せずに感情をぶつけるのも、時には教育となるのだ。母が我慢ばっかりする必要は無い。母だって母である前に一人の人間なのだ。奴隷になる必要はない。一人の人間として尊重されたい。

 という気持ちを、ニコちゃんに時たまぶつける。ニコちゃんは膨れっ面をして、母を叩く。痛い気持ち、叩かないで欲しい気持ちをニコちゃんに伝える。喧嘩も感情を育てるのに避けては通れないのだ。

 いとこに押されて叩かれてなくニコちゃんに、たまにならやり返していいよ、と悪魔の囁きをする。よく我慢していると思うから。でもニコちゃんも結構いとこを感情のままに叩くのを、ママは知っている。「ニコちゃんが意地悪するからいとこちゃん叩くんちゃう?」と言うと、黙る。分かっているのか。

 人を大切にする気持ち、自分を大切にする気持ち、どちらも大きく育って欲しいと思う。いや、元から優しい子ではあるのだ(親バカ)。自分のプラスの気持ちを相手に上手に伝える術を磨いてくれたらな、と思う。

 人を大切にする方法、自分を大切にする方法、人を愛する方法、自分を愛する方法を教えるのがパパとママの役目ではないか。人の嫌がることをしない、されて嬉しいことをする、自分の気持ちの整理の仕方、愛されているという実感、生まれてきて良かったという気持ち、そんなのを根気強く教えられたらな、と思う。