ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

優しくありたいと

 それは、まるで呪いのように。

 優しくありたい。誰に対しても、傷つけることなく、有益な存在でありたい。そんな感情は、私の驕りで、自己満足だというのに。大切な人だけ幸せにすることができたのなら、それでいいのに。

 一日の疲れなのか、ずっと言うことを聞いていたからか、ワガママを許容できなくなった。夫に任せて、それでも言うことを聞かない我が子を叱る。怒鳴る。脅す。

 そんな私になりたくないのに。いつでも優しい母でいたいのに。いつも優しく接したいのに。

 言うことを聞かない我が子へのイライラと、思う自分になれないイライラ。虚しくて、悲しい。泣き続けるニコちゃんに、宥める夫に申し訳ない気持ちが込み上げる。間違えたのか。もう少しだけ言うことを聞いてあげれば良かった。

 体を洗い終わって、意志を押し通すニコちゃんに根負けして、ニコちゃんをトイレに連れて行く。さっきまでの気の狂った泣き方が嘘のように、ピタリと泣き止んで、ご機嫌で湯船に浸かる。やっぱり言うことを聞いてあげれば良かった。

「ママが一番。」ニコちゃんがそう言う。「ニコちゃんは二番。」ニコちゃんの本意は分からないけれど。

 機嫌のいい、母でありたし。機嫌よく、夫とニコちゃんに接するために。毎日のコーヒー。毎日のビール。何が必要なのか、何が欲しいのか。夫のお弁当、部屋の片付け。頑張らなければならないこと、頑張りたいこと。

 映画と小説、ブログ、漫画。ワインディングの練習、カットの練習。友達やママ友とのたわいないお喋り。

 酔いの回った頭でボンヤリと。控除の申請。しっかりしないと。