ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

「忙しい、忙しい」

 しまった、寝過ごした。夜中目が覚めて起きていたツケがたたって、保育園に預けに行く時間に目が覚めた。一時間前までの記憶はあるのに。もう一度、ニコちゃんの熱を測る。一時間前は平熱だったけれど、また37.6度と上がってきている。今日は休ませよう。母にニコちゃんを連れて行って仕事を手伝うべきか、電話で確認する。「なんとかするわ。」心あらずの口調で言う母に、甘えることにする。今日はゆっくりしよう。

 朝ご飯を食べさせると、三日ぶりの便が出た。固い、コロコロとしたうんちだった。便秘による発熱だったのかもしれない。私の祖父は便秘が原因で亡くなった。ただの便秘と言えども、侮れない。食欲はないけれど、元気に過ごしてくれた。プリンを作りたい、と言うので、一緒にプリンを作るも、型に流し入れた段階で「プリン食べる!」と言う。プリンはそんなにすぐにはできない、と必死になだめすかす。

 洗濯物を回す。洗濯物を干しに二階に上がると、階下から「忙しい、忙しい、忙しい。」と繰り返しながらニコちゃんが階段を上ってくる。私の顔を見ると、「忙しいわぁ。」と満面の笑み。この子はいつも忙しいのだ。忙しくて楽しいのだ。私も見習わないと、と思う。

 はとこから急に夕方インターフォンを鳴らされ、外で30分ほど遊ぶ。スーパーに買い物に行くも、外は真っ暗で、焦りと苛立ちがつのる。ニコちゃんのワガママに怒鳴り声をかぶせる。こんな自分は嫌だ。イライラしていることを自覚する。

 仕事は誰かの為で感謝されるのに、子育ては中々感謝されない。仕事は頑張っていると誰にでも認められるのに、子育ては自己責任で頑張るのがデフォで、頑張らなければ非難される。仕事は有限で有給なのに、子育ては無限で無給。理不尽さと痛みと罵声に聞こえる鳴き声にいつも追われる。

 私は子供だ。おそらく多くの人より子供で、常に褒められて、認められたい。子育てや人付き合いに不向きだと思う。夫は私より大人で尊敬するけど、夫にも子供の部分はある。尊敬と思いやりを忘れずに、程々に休憩しつつ、頑張りたい。