ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

急にお姉さん

 ニコちゃんには三人の従姉妹がいて、そのうちの二人と毎日のように会うのですが、つまり私の姉の子供となんですけども、一人っ子だけどもその時は三人姉妹のように遊ばせてもらいます。双子の妹と、三つ年上のお姉ちゃん。

 双子の妹っていうのがもうワルで、とにかくじっとしていない。驚いた表情、悲しい表情、嬉しい表情、コミカルにコロコロと変わる表情に、すぐに出てくる手。実家の大家族用に二つ並べたダイニングテーブルの周りを、奇声を上げながら何周でも駆け回り、ニコちゃんとすれ違うと顔や体を両手でビンタする。ニコちゃんは叩かれてもやり返さず、何も言わない。遊びの一環。

 以前は叩かれたらすぐに泣いていた。泣かなくなったのは偉いなぁ、と姪っ子を止めて怒りたい気持ちを少し堪えて観察する。何度めかの時に「叩かない!」とニコちゃんが言って、半ベソをかきながら私の方に来たので、やり返さなくて偉かったね、叩かれたら先生やママに教えてね、とアドバイスをした。

 姪っ子のオムツを替える時に、トイレに行くかを尋ねると、トイレに駆けていく。ニコちゃんもその後を付いていく。トイレの中で「姪っ子ちゃん先!」とニコちゃんの肩を押す姪っ子を注意する。自分で子供用の便座をセットする姪っ子。ニコちゃんが「ニコちゃんがやってあげる」と、便座の調整をして、姪っ子のズボンとオムツを脱がし、姪っ子のお尻を揉みしだいて、「姪っ子ちゃんのお尻、プニプニ〜!」と嬉しそうに言うので笑ってしまう。私の姉は「ニコちゃん急にお姉さんになったね」と言って、なんだかニコちゃんを誇らしく思った。

 そのあと二人にご飯を食べさせて、上のお姉ちゃんが帰って来て、お姉ちゃんに姪っ子ちゃんママがご飯を食べさせようとするも、三人で遊んで食べない。ホウキを持ってきて、オモチャをはく。それはダメ。注意するも、なかなかやめず、大きな声を出して叱る。それでも辞めないのでホウキを取り上げる。姪っ子ちゃんはママにしがみついて慰めてもらっていた。

 上記が昨日の出来事で、今日は姪っ子ちゃんはおとなしめだった。昨日散々叩いたあと、私の姉に姪っ子ちゃんがニコちゃんを何回も叩いている、と告げ口すると、姉が姪っ子にこちょこちょをして辞めるように注意する。そのあとも叩いていたので、私は姪っ子ちゃんを捕まえてこちょこちょする。叩かない?と聞くと、「うん」と約束させる。今日、全然叩かなかったのだけど、一回だけ叩いた時に、捕まえて昨日叩かないって約束したよね?と言うと、「うん」と目をそらして笑いながら答える。そのあとは叩かなかった、偉い。

 姪っ子ちゃんはいつも私とニコちゃんがお風呂に入るのについてくるのだけど、昨日はきつく叱ったあとだったので、お風呂につかりながら、オモチャを何度も落として思い通りにいかなくてついには「ママ〜!!!」と泣き止まなくなった。たぶん眠かっただけだろうけど、怒りすぎたかと反省した。今日は何度も声かけをして(痛くないよ、大丈夫だからね、など)一度も泣かずに過ごしてくれた。

 それぞれの家庭の教育方針があるので、それに口出しはしないようにしているけれど、姪っ子ちゃんは近すぎてたまに叱らざるを得ない時がある。ニコちゃんへの暴力は、他の子にしないかも心配。姪っ子ちゃんは叱ってもあまり響かない子なので、根気強く手を替え品を替え働きかける必要がある。時にはきつく、大声を出す必要も感じる。夫にもそんな話をすると、夫も大きな声で姪っ子ちゃんを私の母の前できつく叱ってしまったので、母や姉の前ではダメだと伝える。

 子供の性格は生まれ持ったものが半分以上、という話を聞き、育てる側としては安心する。私の性格がニコちゃんに悪い影響を及ぼさないか心配してたけど、あまり心配することはないのだ。子は親がいなくても勝手に育つ。けれども守ってくれる人はいた方がいい。基本的には見守って、躓いた時に立ち上がる手助けをするような、そんな親であれたらいいと思う。