ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

恋愛と結婚と子育ては、一人暮らしより労力とお金がかかる

こことは別のブログサービスで、毎年夫が自分の誕生日に有休を取ってくれる妻の日記を読みました。微笑ましく、心が温まる反面、羨ましく、少し凹みました。私の夫は、私の誕生日に有休を取ってくれたことは無い。

それは仕事へのスタンスが日記の旦那さんと私の夫とが違うからであって、私の夫が私を愛していないことにはならないのに。こうした無駄な凹みが私にはたくさんあります。無駄なのに。けれども感情は合理的では無いのです。

シロクマさんと、キリンさんの、未婚男女が現代日本で恋愛・結婚しない選択をするのは、至極妥当で合理的な判断である、といった内容の、はてなブログを読みました。

これまで日本はイエ制度で、結婚は親が決めるもので、恋愛と結婚は結びつかなかった。けれども欧米文化や個人主義が根付き、恋愛結婚が主流となると、恋愛における資本主義が目に見えて浸透した。そして経済合理性を考える男女は、恋愛し、結婚し、子供を産み育てることが無くなった。それは賢い選択だ、という内容です。

欧米(という括りは乱暴だけど)にはデート文化があり、フランスでは引きこもりでもデートをするそうです(ソースはシロクマさんブログ)。男は男らしく、女は女らしく振る舞うべきで、男女(もしくは同性)はすべからくデートするそうです。そうした緊張感と圧力がある。

日本ではそういった文化は無く、かつ職場でも街でも、仕事場は仕事だけ、スーパーは売買行為だけ、と、明確な棲み分けがなされていて、出会いの場が無いそうです。恋愛は不条理なもので、合理性からは程遠い。学校も勉強するだけで、出会いの場と考える人が少ない。出会いましょう、という場でしか出会えないのだとか。

一人で生きていける現代日本で、恋愛も結婚も子供を産み育てることも、一人で生きていくよりリスクが高く、労力も費用もかかる。そうであれば、一人で生きていく方がずっと経済合理性がいい。という考えに、既婚者で一児の母である私が救われました。やっぱり、そうだよね。コスパ悪いよね、大変だよね。

子供は可愛くて宝物で今まで出会えなかった体験をたくさんさせて貰っている。けれどもそのポジティブな理由だけで、子供を産み育てることに未婚男女を引き込むのは無理だそう。恋愛も結婚も子育ても、大きな費用がかかる上に、離婚した時は、国の制度も世間の風当たりも冷たい。

フランスでは籍を入れなくても税制度上、婚姻関係と同様の控除を受けられ、また離婚した時にシングルマザーが社会復帰を果たすまでの国の手助けの制度も手厚い。結婚・子育てに関するネガティブな面の手助けを、国の制度でバックアップしている。その理由が白人のフランス人の減少を防ぐためとは言え、結果として黒人も恩恵を受け、国全体の結婚率は上がった。

日本は、離婚したら問題がある人、という風に見られることがまだまだ多いし、シングルマザーへの手助けどころか、夫がいる母子への手助けもまだまだ少ない。子育ては大変で、けれども母親が一人でするのが当たり前な風潮がある。それでは結婚し、子供を産む気になれない。特に女性。この考え、共感します。

日本政府は恋愛し、結婚し、子供を産み育てることを推奨するけれど、これは何の為っていうと、現在の年金制度を維持する為、だそうなんですよね。少子化は年金制度の破綻を招くから。けれども現在の日本で今の制度のまま恋愛して結婚して子供産むのはマイナスの面が多いから、それなら人口減少に合う年金制度に改めた方がいい、とキリンさんはおっしゃってました。

その社会の方が、未婚男女も生きやすいし、既婚男女も生きやすいんじゃないか、と個人的には思います。子供を産むことが絶対的な正解、みたいな考えを持つ社会は、誰もが苦しくて生きづらい。多様な生き方と価値観を認め合い、尊重し合えるような社会になってくれれば私はウルトラハッピーです。

明日、私の誕生日では無いのですが、子供の参観で、一緒に行ってくれないかとお願いすると、有休を取ってくれました。G20で交通規制て客訪問が出来ないから、ちょうど良かった、と。

そして今朝、「明日の参観は午前中だけ?」と夫が聞くので、そうだと答えると、「近鉄(百貨店)行こうか。」と言ってくれました。「ママの誕生日プレゼント買いに。平日の方がゆっくり見れるやろ。」と。誕生日に有休取って貰えなくても、もうそれだけで十分っす。

あともう一つ。昨晩、大量の洗濯物を畳んでいると、子供と遊んでくれていた夫が、何も言ってないのに一緒に畳んでくれました。その気持ちが嬉しい。当たり前じゃないことを、当たり前にして貰えるのは幸せ。…もっと、普段から家事してくれても、ええねんで?(欲深)