ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

子供が怖かった話

 こんにちは。まだ二月なのに、痛いくらいの強い日差しと春のような陽気を、ウッドデッキで一人こっそり日光浴をしながら満喫しています。目隠しのフェンスはあるけれど、お隣さんの二階からとか見えそう。

 どうも、変な人です。

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 私が変なのは昔から友人らに言われて来たのですが、私のことを変じゃないと言う夫も変な人なんじゃないかと思います。いや、夫から頭おかしいとは言われるんですけど。じゃあ、夫はまとも?いや、やっぱり私と一緒にいれるのは変わってるような気がします。

 とにもかくにも、有難いことに嫁にもらって頂け、一人の子宝(五月には二人になる予定)にも恵まれたのですが、実は子供を作ることが怖かったです。

 理由は、二つありました。経済的な不安と、精神的な不安(どちらかと言うと精神面での心配が大きかったです)。自分で自分を過小評価していて(実際至らぬ点が多々多々あるのですが)、こんな私に子供が育てられるのか、子供を幸せにできるのか、子供に好いてもらえるのか、不安でいっぱいでした。

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 小学校の時に人生設計をさせられ、その時には母親の影響なのか、日本の社会科教育の賜物なのか、仕事をすること、結婚すること、子供を産むこと、が25歳で全て達成予定でした。

 (実際に結婚したのは26歳、子供を産んだのは28歳、仕事には恵まれず、職を転々としていました。当たり前とか普通のことって、案外難しい。)

 自分の意思なのか、他の人や組織からのマインドコントロールなのか、とにかく結婚と子供を産むことに憧れていたのは事実です。けれども、実際に産める状態になると、途端に怖気づきました。

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 今だから分かるのですが、私の精神年齢は3歳児のそれと同じくらいです。ニコちゃんが自分を見て欲しいとまとわりつく姿が、私の内心と重なります。自分で自分を褒めてあげることが出来なくて、承認してもらうことを常に求めて待っている、恥ずかしながらそれが私です。そんな私が、大人を演じて、立派に子育てをやり遂げられるのか。

 けれども、同時に、夫の遺伝子を残したい、夫との子供を育てたい思いも強く、妊活に踏み切りました。幸いにも身体的に問題は無く、望むとすぐにニコちゃんがお腹にやって来てくれました。

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 吹けば消えてしまいそうな、お腹の中の小さな命を守る責務に駆り立てられ、ニコちゃんを妊娠中は四六時中気を張っていました。安定期に入るまでの妊娠初期の化学流産に怯え、臍の緒が首に巻きついて亡くなった話に怯え、マタニティライフは手放しに楽しいとは言えませんでした。

 ニコちゃんが産まれた時も、会えた喜びよりも、この世に送り出せた安心感の方が大きく、普段は泣き虫なのに涙も出ない自分に落胆しました。けれども今思えば、必要以上に責任を感じすぎていただけだろうと思います。ついこの間の母親教室で、産んだ後は放心する母親が多いと聞いて安心しました。

 ニコちゃんを触る前は石鹸とアルコールで徹底的に除菌をして、そのせいで皮膚科に通わなければならないほどの酷い手荒れになりました。母乳が少ないのではないかとおっぱい教室に行き、友達を作ってあげなければと地域の子育て支援やコミュニティや公園に通い、初対面の人にも愛想よく話しかけ、又は話しかけられ、自分の向き不向きも顧みずに、ネットや本や友達らの話を鵜呑みにして、訳も分からず頑張りました。

 時には何もする気力が起きなくて、涙が止まらなくて、子供にいつも優しく出来なくて、そんな自分が嫌で。孤独な訳がないのに、孤独を感じる時もありました。私じゃなかったら、もっといい育児が出来ていただろうな、と、ニコちゃんに対して申し訳なく思った日も少なくありませんでした。

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 いつから育児が楽しくなったのか、手放しでニコちゃんを好きだと思えるようになったのか、記憶は定かではないのですが、ニコちゃんが話せるようになって、「好き」と言葉と態度で伝えてくれるようになったことは大きいかなと思います。

 駆け引きも打算も恐らくまだ知らない小さな子が、覚えたての「好き」や「愛してる」を、惜しげもなく言葉のシャワーのように私に浴びさせてくれて、いつしか私もニコちゃんは私のことを好きなんだと信じられるようになりました。

 極め付けは「ママに会うために生まれて来た」という言葉。この子は本当に私のことが大好きなんだな、命をかけて私を愛してくれているんだな、と自然と思えました。以前感じていた、逃げたくても逃げられないずっしりと重い責任感ではなく、自ら望んで「応えたい」と思うようになりました。

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 今も妊娠中ですが、ニコちゃんの時ほど不安になったり、焦ったりする事はなくて、それはニコちゃんを育てさせてもらったお陰だなぁと思うのです。まだ無事に産まれていないから、どうなるかは分からないけれど、(恐らく)姉妹仲良く育ってくれたらなぁ、と望むばかりです。

 子供は怖くなくなりました。ニコちゃんが至らぬ私でも包み込んで愛してくれたお陰です。今度は私がニコちゃんとお腹の子を包み込んで愛してあげれたらな、と思います。

 昨日は初めて(?)ぐずらずにママがお風呂に入ってなくてもパパと二人だけで寝に行けました。パチパチパチ。パパと泡風呂をしたお陰かな。めちゃくちゃ楽しかったようです。今度は泡風呂用の入浴剤を買って置いておこう。それとも、ママとしまじろうの工作の鳥を作った効果なのかな。たくさん遊んだお陰なのか、嫌がることなく保育園に行ってくれて、助かった。楽しい思い出を沢山作れたらいいな。