ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

宇宙人

批判覚悟で書く。批判されても仕方のないこと。私は頭がオカシイ。過去に宇宙人と呼ばれたこともある。

我が子との初対面、私は「無」だった。何の感情も湧かなかった。「おお〜、この子が私のお腹の中に入っていたのか…(思考停止)」それは、17時間に及ぶ陣痛に疲れ果てていたのか、寝不足だったのか(そうだと思いたい)。立会いには夫と実母と実姉が居てくれた。皆泣いていた。私だけが泣いていなかった。泣けないので「私ってヤバイ奴なんじゃないだろうか」と本気で思った。

病院で、実家で、赤ちゃんと対峙していても、想像していた湧き上がる母性、みたいなものは無かった。赤ちゃんに持つ印象は、宇宙人。何を考えているのかサッパリ分からなかった。言葉も通じないし、行動も予測が付かない。目が合っているのかも分からないし、以心伝心、なんてこともない。ただただ私がニコちゃんが考えているであろうことを押し付けるだけだった。

人の赤ちゃんは可愛いと思えるのに、自分の赤ちゃんは人の子ほど可愛いと思えないのがショックだった。ただ責任だけは人一倍感じていた、と思う。赤ちゃんに何かあれば全て私のせいで、赤ちゃんから離れることを悪だと感じていた。

ニコちゃんが人の言葉を理解するようになると、意思疎通が少し出来るようになって楽しかった。それでも言うことを全て聞いてくれる訳じゃないので、感覚的には、物凄く怒られそうで批判されそうだけども、犬のしつけのように、大きな声を出して危険から遠ざけたり、常に見張っていないとダメだった。でも、今思えばそれはそれで可愛かった。

二歳になって、だいぶ言葉が話せるようになって(恐らく平均よりもよく話せる方だと思う)、ようやく人間だと感じることが出来るようになった。ダメだと言って聞かせたら、分かってくれるようになった。パパを好きになって、ママが居なくても落ち着いて言うことを聞いてくれるようになった。何か頼むと、快くしてくれるようになった。お友達が泣いていると、駆け寄って、「大丈夫?」と聞く。自分のものは泣いて渡すことを嫌がるけど、頼むと渡してくれる。ご飯を準備すると、「わあ〜美味しそう、いただきます!」と演技がかった声でお礼を言ってくれる。

よくここまで育ってくれたな、と時々とても嬉しくなる。ママが本や映画で泣くと、「大丈夫?」と声を掛けてくれる。優しい子だな、と感動する。宇宙人とか犬とか思ってごめんね。あなたは紛うことなき優しい(親の欲目)人間だ。あなたがいてくれる毎日に感謝する。