ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

人間として扱われること

ニコちゃんが、熱を出した。昨日の夕方、風邪をひいているのに、家の前の道路と公園で一時間以上遊んだのが堪えたのか。夕飯を食べている最中に、体の熱さに気付いて熱を測ると三十八度だった。

体を濡れタオルで拭いて、八時だけれども、しんどそうにしたので、寝に行くかと聞くと、頷いた。「ブーブーがいい。」と、車で寝ることを希望した。夫がニコちゃんを連れてドライブに出掛けた。

それでもしんどくて寝れなかったようで、帰ってきた夫は、寝室でしばらく寝かし付けをしてくれた。一時間ほどしてリビングに姿を現した夫に、風呂に入るよう促され、先に風呂を頂く。風呂から出ると、夫とジュースを飲みながらお菓子をつまんだ。

「パパ〜。」と、泣く声が聞こえる。髪の毛も濡れたまま、歯も磨いてなかったけれど、とりあえず私が様子を見に行くことを申し出る。夫は「お願いしてもいい?」と素直に応じてくれた。

ニコちゃんの体は、ものすごく熱かった。キャミソールとホットパンツしか着ていなかった私の、露出している脚や腕にニコちゃんの顔や体をあてる。私の体は柔らかくひんやりしているので、水枕代わりになるかと思って。

一時間ほどして夫が風呂に入って寝室にやって来る。水枕を探して貰うも、見つからない。整理整頓を怠った自分を恨めしく思った。

ニコちゃんは、寝れない。体はずっと熱く、夫は心配で眠れない。「私が見てるから。」夫に眠るように促す。次の日の予定は夫は仕事で、私は専門学校のスクーリング授業だった。授業は来年に取り直すことも出来る。

リビングに行きたい、とニコちゃんは訴える。それもいいかも知れない、と私は思う。リビングのソファは革張りでひんやりと感じるし、リビングは寝室より涼しい。ニコちゃんをソファに横にすると、目が閉じそうになる。けれど眠れない。体温計の数字は三十九度だった。

再び抱っこをねだられる。抱っこをしたままソファに座って夜が更ける。だんだんズレ落ちて、ラグで寝る。ラグが気持ちいいのか、泣くこともなく、いつのまにか朝まで寝てくれた。

私を道具やモノとしてではなく、人間として扱ってくれる人がいてくれるのは、癒される。私の意思が尊重されるのは、私にとって生きていることと同義なのかも知れない。

心を押し殺すと、疲弊する。家族だからって、相性がいいとは限らない。口に出さない方が、いい思いもある。言わないことが、しないことが、優しさだということもあるかも知れない。

見下され、意思を無視されると感じるのは、私の思い込みかも知れない。私は大切にされているし、愛されている。そう思い込む方が、きっと幸せで、そう思い込むことによって、大切にされて、愛されるようになる可能性もある。

大切にしたいし、大切にされたい。大切って何だろう。相手の意思を尊重すること、相手の幸せを願って働きかけること。我慢すること。優しい言葉で感謝の気持ちを伝えること。そばにいること。離れること。

あなたにとって、私はどれくらいの距離を保ったらいいのだろうか。私はあなたとどれくらいの距離を望んでいるのだろうか。大切にされていたら、きっとお互いに気持ちがいい。気持ちがいい人間関係を築きたい。