ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

母親失格、やのに母親しか勝たん

 やってしまった。金曜日で疲れていたとは言え、ニコちゃんのワガママに寛容になれず、怒鳴ってしまった。

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 ニコちゃん、今日は早起きだった。ママのスマホでパパにLINE絵文字を送る遊びをしているうちに、しれっとパパが残した朝ご飯を食べさせて、YouTubeを観させていた。ゴミの日だったのでゴミを出して、妹ちゃんを着替えさせて…としているうちに、保育園の登園時間を過ぎてしまった。慌ててニコちゃんに靴を履くように急かす。

 ニコちゃんは一人で靴を履ける。ほっとくと一人で履いている。けれども最近は実家や保育園の帰りで、ママに履かせて欲しいと甘えることが殆どだった。甘えさせてやれることは甘えさせてやろうと、優しくしていたのが間違いだったのか。生後3ヶ月の妹を抱っこして焦っているママにも甘えた。

 赤ちゃんを抱っこしたまま、ニコちゃんの靴を履かせる。ワガママを聞いてやらないと後々もっと面倒くさい(泣いて動かない)からだ。履かせてやっているのに「違う!」「ここまで止めるの!」と偉そうに指図するニコちゃん。妹ちゃんの頭の汗を取るために、腕と頭の間に敷いていたタオルが腕から抜け落ちた。

 ぷちん。「文句言うんやったら自分でやりぃや!」「うっとぉしいな」心で思っていても口には出すまいと思っていた暴言が、思わず飛び出してニコちゃんを刃物となって傷付けていた。ニコちゃんの顔を見て、胸が痛んだけれど、怒りが収まらない。私ってこんなひどい人間だったんだ。ニコちゃんを傷付けて、傷付く資格なんかないのに、私も傷付いていた。

 泣きそうになりながらも、成長したのか、耐性が付いたのか、泣くことも甘えることもなく、保育園に行ってくれた。昨日の夜も焦る私の道を塞ぐニコちゃんに、怖い声で「邪魔」と言ってしまったけれど、泣かなかった。寝る前に大好きだよ、と伝えているのが功を奏したのか。ママの大好きを信じてくれている?

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 ひどい言葉を使わないように気を付けたい。今は大丈夫でも、いつ大丈夫じゃなくなるか分からない。何がトラウマになるか分からない。ニコちゃんと妹ちゃんの心に傷を付けないように気を付けたい。

 けれども好き勝手に感情やワガママをぶつけられ続けるのは凄く疲れる。心が疲弊する。より効果的に伝わるように、直情的で短絡的な言葉を使ってしまいたくなるけれど、頑張って柔らかい言葉でなるべく注意できるように気を付ける。傷付けてしまったらすぐに謝る。

 今日は、リカバリーできなかった。いつも通りに接することで精一杯だった。保育園から帰って来たらごめんねを言おう。ひどい言葉を使ってごめんね。

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 妹ちゃんは、ママじゃないと、どんなに優しく抱っこしても泣き止まない時がある。大抵は眠い時か、お腹が空いた時だ。そんな時も、妹ちゃんからの愛を感じる。

 そんな風に妹ちゃんからの愛情を信じることが出来るのも、ニコちゃんのお陰だ。ニコちゃんが大きくなって言葉で私に愛情を伝えてくれるようになったから、赤ちゃんの考えてることが分かるようになった。

 それなのに、イライラした時はニコちゃんに八つ当たりをしがちで、ひどい母だと思う。脅しても意味がない赤ちゃんには怒らずに、脅しが効くニコちゃんを脅してしまう。脅すのは良くないと言う専門家の記事にクソくらえと思いながら。ほんと良くない。そう思う一方で、脅さないとワガママをコントロールしきれない、とも思う。

 親の力不足だと詰られても、コントロールできないのは事実なのだ。親になるべきじゃなかったと言われようが、今親なのだ。命を健康を守ることに必死なのだ。共感できなければ放っておいて欲しい。批判するのは共感力がないと自分の価値を下げることと同義語だ。

 私は親として欠陥しているから子育てに苦労する。人間として失敗作。それでいい。それでいいから、心の中で何を思うも人の自由だから、私の心まで強要しないで欲しい。入って来ないで欲しい。コントロールしようとしないで欲しい。私が必要なものは、私が決める。お願いだから、ひどい言葉を浴びせないで欲しい。同じ思いをニコちゃんにさせたらあかん。