ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

妊娠育児のしんどいこと、幸せなこと

 妊娠も育児も大変なことだと思う。おめでたいことだけれど、キラキラいいことばかりではない。想像していた以上に、色々なしんどさが襲ってくる。

 何がしんどいのか、考えてみたいと思う。

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 まず、2度の妊娠を経て感じたこと。妊婦は、90歳くらいのおじいさんおばあさんのようなものだと思う。こけたらダメ、重いものを持ったらダメ、体のあちこちが痛い、足元が見えなくて動きにくい、ジャンプしたらダメ、運動したらダメ。

 若いというアドバンテージはあるものの、お酒は飲めない、タバコは吸えない、コーヒー紅茶・緑茶ウーロン茶もダメ、お刺身お寿司ダメ、チーズもダメ、ローストビーフもダメ、風邪を引いたらダメ、あらゆる薬のほとんどがダメ、湿布もダメ、となると、どっこいどっこいな気もする。

 幸せだな、ありがたいな、恵まれてるな、という気持ちも、もちろんあるのだけれど、吹けば消えそうな命を常にお腹の中に抱えている責任と重圧による不自由さは、経験するまで分からなかった。

 感じ方は人それぞれだと思うけれど、最悪を考えがちな性格の私には、思った以上にしんどかった。2度目の妊娠は、1度目の妊娠の後悔や反省を活かして、気にしすぎないように気を付けた。それでも100%安心して過ごすことは到底不可能で、胎児が生きているか、気にしてもどうにもならないことを、常に気にしていた。

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 赤ちゃんがお腹の中から出てきてくれてからは、妊娠中よりは不安は減った。けれども生まれて暫くは、赤ちゃんが寝ている間も息をしているか、1時間に1回は確認した。

 2回目の乳児育児は、1回目よりも責任感が軽い。1回目の時に、ガルガルしすぎて、責任を預けることをしなくてしんどかった。反省して、あらゆる人に頼ると、責任が軽くて救われる。意識して頼らなければならないのだと思う。

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 乳児期の、特に離乳食前の時は、1ヶ月くらいで長くて2〜3時間、4ヶ月くらいで3〜4時間しか母乳育児の場合、母親は乳児から離れられない。ミルクを飲ませたらもっと長い時間可能だけれど、うちの子の場合、母親がいないとそれだけで泣く。

 この2時間縛りも地味にしんどい。赤ちゃんが可愛くて、片時も離れたくない反面、買い物をしたり、お茶を飲んだり、責任から解き放たれてリフレッシュする時間も少しは欲しい。離れても赤ちゃんのことが心配になったりするけれど、少しだけでも誰かが責任を肩代わりしてくれると、めちゃくちゃ助かる。また頑張れる。

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 ある程度おおきくなると、言葉を発して、自分で歩いてくれるようになると、すごく助かる。特に言葉で思うことを伝えられるようになると、子供も親もだいぶラクになる気がする。2〜3歳になると、「大好き」だとか、「ママに会うために生まれてきた」とか言ってくれる。そんな日は私の人生最良の日になる。

 4歳になると、自制心も少しずつ育って来て、ママのお願いを聞いてくれることが多くなる。赤ちゃんを愛でてくれて、赤ちゃんのためのガーゼを引き出しから取ってきてくれたりする。積極的に赤ちゃんと関わろうとしてくれる。

 その反面、まだまだ甘えたい気持ちもあって、したらダメなことを怒りすぎたり、大きな声を出すと、じっと黙って、ゆっくり泣き出す。いつもギリギリのところで踏ん張って、ニコちゃんなりのいい子を演じてくれているのかも知れない。泣いた時は、抱き締めて、甘えさせる。

 甘やかしすぎだと言われるけれど、固まる前のコンクリートのような子どもの心に、傷を付けることが怖くて必死に塗り直してしまう。私は失敗作だと言われてしまったけれど、この子にそんな言葉をかけるような親にはなりたくない(と思っているけど、なってしまうかも知れない)。

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 子供は2人欲しかった。まだ大人になる前に想像していた未来設計図を叶えられて、2人の子を見ていると、どれだけ泣かれても腹は立たない。幸せだなぁと思う。

 けれども泣き続けられると、というよりワガママを言われ続けると、イライラしてきてしまう。不徳の致すところだけれど、自然現象なのでどうしようもない。せめて態度にイライラは出さないように努力はする。自分勝手な人間だけど、これが私なのだと諦めて受け入れている。

 子供も私の自分勝手な性格を色濃く受け継ぎ、同い年の従姉妹に向かって、謝ってくれているのに謝り方が気に入らないと難癖をつける。私も昔、小学校の頃に、今は亡き祖父に向かって同じ難癖をつけて、祖父をキレさせた。そういうところは直した方がいい。

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 ダメなところは色々あるけれど、いいところも沢山知っている。なるべくいいところをフィールドバックしてあげたいと思うけれど、毎日それはダメ、あれもダメ、とダメ出ししかしていない気がする。

 親子共々精進します。