ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

愛情表情

 一昨日の夜、夫が私を布団から押し出した。何事かと起きて夫を見ると、夫の後ろにニコちゃんがいた。そして夫も布団から追い出された。

 夫はニコちゃんと隣の布団に寝ていた筈なのに、私の布団にやって来て、私を布団から追い出した。そして夫も追い出されて来た。夫を起こして夫の布団で二人で寝る。ニコちゃんは私の布団で悠々と寝ていた。

 ◆

 次の日の夜、ニコちゃんは夜中、泣きながら私の体の下に手足を捩じ込もうとする。あまりに泣くので侵入を許すと、「痛い!」と怒って泣くわ殴るわ蹴るわのオンパレード。「大丈夫だよ、大好きだよ」と宥めると、落ち着いて寝てくれた。

 怒らずに対応できたのは、ニコちゃんが寝る前に、「ママ大好きだよ」と言って、キスの嵐を私に齎してくれたお陰だと思う。夫が嫉妬で邪魔をするほどに。ストレートな愛情表情のお陰で、暴れるのも愛情が故にだと信じることができた。

 ◆

 ニコちゃんはおじいちゃんおばあちゃん相手だと大人しいけれど、私が相手をすると、途端にワガママモンスターになる。何をしても気に入らないとケチを付けて、癇癪を起こす。

 母はそれを「あんたが教育をせんからや」だとか、「あんたのことを舐めてる」だとか、「導いてくれる人にはちゃんと懐く」だとか、私を悪者扱いする。自分は悪くない、と思いたがる習性は誰にでもあるものだと思うけれど、私はそんな母の戯言を律儀に間に受けて、律儀に傷つく。愚かだ。

 ◆

 ニコちゃんは私を試す。どれくらいまでなら許されるのか、自分は愛されているのか、無理難題をふっかけて試す。許されなかったら、愛されてないと判断するのか、癇癪を起こすか、大きな声で泣く。

 愛していても、物理的・精神的にワガママを聞き入れられない時もあるし、そんな試し行動で愛を測らないで欲しい。愛していることは、言葉と行動で素直に伝えて欲しい。ニコちゃんにも同じように伝えるけれど、中々実践には至らない。

 でもたまに、「ママ大好きだよ」「ママ可愛い」「いつもありがとう」「ママはニコちゃんの宝物」「ずっと一緒にいてね」と言ってくれることがある。そんな時は、とても嬉しい。ニコちゃんにもっと優しくしようと思う。単純だ。

 初めて「いつもありがとう」と言ってくれた時(正確には保育園の先生に言わされた時)は、人前にも関わらず、思わず涙が出た。恥ずかしくて必死に隠したけれど。めちゃくちゃ感動した。今までのしんどかったこと、悲しかったことが、報われた気がした。

 ◆

 思ったことは、素直に伝えて欲しいし、伝えたいと思う。毎日ニコちゃんに「大好きだよ」と言おうと心がけているけれど、忘れる日もある。ニコちゃんから「大好きだよ」と言ってくれて、私も「大好きだよ」と返す日もある。

 言わないと伝わらないから、ちゃんと伝える。ニコちゃんに伝わるように、安心してもらえるように。何より、自分のために、後悔しないように。毎日全力でニコちゃんと妹に大好きと愛してるのメッセージを伝えられたらいいな。