ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

優しい気持ち

「ママのお腹、何入ってんの?」
 少し丸くなってきたお腹を撫でながら、小さな子が私に聞く。何が入ってると思う?と訊ねると、「赤ちゃん!」と、ニッコリ笑う。

 可愛いなぁ。笑顔も、身長も、後ろ姿も、寝顔も、変な顔も、ひょうきんな性格も、お尻も、何もかもが、小さくて、か弱くて、可愛い。

 「赤ちゃんいる?」と聞いたら、「いらない」と言われて悩んでいた時が嘘のように、「お腹撫でていい?」と、私の身体を気遣ってくれる。パパのお腹はドンドン叩くけど、ママのお腹は絶対に叩かない。「疲れたから歩いて」とお願いすると、素直に歩いてくれるようになった。

 当たり前のことかも知れないけれど、思い通りにならなければ直ぐに泣いていた時を考えれば、めちゃくちゃ嬉しく感じる。今も直ぐに泣くけど。我慢を教えるのって難しい。

 ◆

 ニコちゃんと私は違う。違うからこそ、愛してもらえるのが、とても嬉しい。愛しい気持ちが湧くのかも知れない。

 もしニコちゃんが全然知らない子だったら、と、考えてみた。こんなにも可愛い子の側にいられることが、当たり前でも何でもなくて奇跡みたいに感じる。日常を共有できることが嬉しい。

 当たり前だと、永遠だと思うと、しんどくなることもあるけど、奇跡だ、滅多にないことだ、と思うと、新たな気持ちになれる。日常の中にそんな空想を挟みながら、ほっぺを、髪を、小さな手を、撫でて、キスして、「大好きだよ」と伝える。

 「ママ大好き」と唐突に贈られる言葉が嬉しくて、「キスして」と頼むと素直にキスしてくれる信頼と愛情がこそばゆくて、ニコちゃんが望むことを何でも叶えてあげたい気持ちになる。

 ◆

 私は奴隷なんかじゃないし、幸せでいていいし、したいことをしていい、休憩したかったら休んでいい。側にいる人は自分で選んでいい。サボってもいい。嘘をついてもいい。自分の利益を優先してもいい(その度合いにもよるけれど)。

 アラサーにもなって、そんな当たり前のバランスが分からなくて、勝手に苦しくなったりイライラしたり、自己中心的な考えしか持たなくて、人間関係も上手くいかなかったりするけれど、あまりマイナスばかりに目を向けず、自分にも人にもいいところに注目できるように頑張ります。

 あけまして、おめでとうございました。