ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

生きてるだけで丸儲け

「何か悩みはありますか」
 3歳半健診で保健センターで保健師さんにそう聞かれて、捻り出した悩み事は、「赤ちゃんいらない」と言われること、だった。

「生後1ヶ月を過ぎても可愛がる様子が見られなかったら、また相談してください」
 まだ実感が湧かないらしい。1週間、ママが居なくなって、久しぶりに会えたと思ったら腕に見知らぬ赤ちゃんを抱っこしていて…そうなると、意地悪する子の気持ちも分からなくない。

 一人で行けていたトイレに、「怖い」と言って行けなくなった。ご飯を膝の上に乗って、「食べさせて」と言うようになった。抱っこを大好きなのは相変わらずだけど、泣いてまで頼む頻度が多くなった。ニコちゃんの前で裸になると、乳首を吸うようになった。

 初めての育児で正解なのか不正解なのか、不安でいっぱいの中、せめて他人からの否定は聞きたくなくて、健診票の項目をほぼ丸にして提出した。

「優しく成長されてますよ」
 些細な肯定の言葉に縋りたくなる。

 毒親には、ニコちゃんの成長や幸せの妨げには、なりたくない。それなのに自分の苛々すらコントロールできない幼稚な親であることを、見透かされたり批判されたりなくて。労せずして得ようとする愚かさ。

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 医療関係者の方がインスタグラムで、余命数ヶ月の小学生の男の子が、詩を書いたそうで、その詩を投稿されていました。内容はうろ覚えなのですが、「朝、起きれて、幸せ ご飯が食べれて、幸せ 家族がいて、幸せ」という感じだったと思います。看護師さん達は、その詩を名札に入れて、いつも持ち歩いているそうで。

 何が幸せで、何が不幸だなんて、本人以外決めることはできないし、失うかも知れないと思わないと見えない幸せがあるのだと、感じました。

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 ご飯、食べなくても、マシンガントークでも、自分のやりたいことを遮られても、悪意なく邪魔されても、それを邪魔だと言えなくても、生きてくれているだけで、オカンは幸せです。多分。

 限界を超えると途端に不機嫌になるダメ親にでも、期待に応えようと健気に一人で完食して。疲れて風呂に逃げ込む母親にも、風呂のドアの隙間から「寝てくるからね」と様子を伺いに来て。

 不完全な人間だけど、完全な人間であるように見栄を張っちゃったりするけど、不完全でも愛してくれる子供は本当に凄くて尊敬します。こんな妻と暮らしてくれる夫の忍耐力も、サポート力も、本当に凄いなぁと尊敬します。私も頑張ろ。