ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

楽しかった、からの

 旅行に行くといつも便秘になる。最近はニコちゃんに合わせて九時とか十時に寝ると、夜中二時〜三時くらいに目がさめる。昨日も例に漏れず、便秘になって、夜眠れなくなってしまった。

 ホテル(旅館)は十五階建てくらいの高い建物で、部屋からは白良浜が見えた。昨年の秋に泊まった湯の山温泉のホテルは眺望がゼロで、それはそれは悲しかった。ので今回はそんなことがないよう、四千円高くなったけどオーシャンビューが確約された部屋にした。

 フロントで渡された鍵は十階のもので、部屋に着くとリニューアルされて綺麗な琉球畳とツインベッドの横の障子を開けると、開放的な海と空の景色が見えた。台風の影響はほとんどなく、綺麗な青空だった。右下に別のホテルの裏側が見えるものの、大満足だった。

 寝れない時間はずっと障子を開けて海を見ていた。夜九時には単発の花火が、朝五時には朝焼けも見えた。朝陽は残念ながら反対の方向で、夕陽はお風呂に入っていて見逃してしまったけれど。非日常の景色に、色々なことをとりとめもなく、あぶくのようにフツフツ考えては消えていった。

 朝五時を過ぎてようやく眠気が来たので夫のベッドに入って抱きしめてもらったあと、ニコちゃんにくっついて眠った。七時に目がさめて、テレビをつけると台風はまだやって来ていないようだったので、夫とニコちゃんと慌てて朝食バイキングに向かう。ニコちゃんは昨日あまり食べずに寝てしまったのでよく食べた。夫も昨夜あまり食べずにニコちゃんと十一時間ほど寝たのでよく食べた。私たちが最終の客だった。

 十時のチェックアウトまで少しあったので、もう一度ニコちゃんと温泉に入りに行く。相変わらず露天風呂で号泣するのに、大浴場を後にするときには「お外楽しかったね、気持ちよかったね。」と言う。楽しかったなら良かったのだが、それならなぜあんなにも泣いて嫌がるのか。謎である。

 一年と四ヶ月ぶりのアドベンチャーワールド。動物を見ても泣かなくなった。成長だ。入り口のレッサーパンダを見て、イルカショーを見て、アニマルショーを見て、遊園地のような場所で軽い昼食を食べて、ホースショーを見て、ケニア号に乗って、ダンスに参加した。動物を見て泣くことはなかったけれど、触れ合うのは怖くて近づいただけで号泣だった。代わりにママが馬とペンギンとウサギを触っておいた。ペンギンは羽毛が生えていて、鳥なのだと今更ながら感動した。

 とれとれ市場に夫のお気に入りの梅干しを買いに行って、帰路についた。帰りの車の中ではニコちゃんと共に少しだけ眠って、自分のいびきで目がさめて、夫に「私いまいびきかいてた?」と聞くと「かいてないよ。」と言ってくれる優しさに笑った。それからはずっと窓から空を見ていた。台風のせいか、見たこともない形の雲がたくさん。夕焼けのオレンジとピンクと薄い青。だんだん青が藍になって、夜になった。

 高速を降りて七時に近くの定食屋に行くも、米がないのでパスタとサンドイッチしかない、とのことで。謝って店を出て、別の定食屋に行った。鰤の照り焼きとコロッケとアジフライと牛すき煮と、金平ごぼうにひじきに豚汁。ニコちゃんは永遠に牛すき煮の糸こんにゃくを食べていた。

 そして今日はくさいカーペットをファブリーズして干して、水着を手洗いして、洗濯物を二回まわして、干すところがないので一回目に干した洗濯物が乾くのを待っている。コーヒーと牛乳がないので買いに行こう。近くのスーパーが改装のため半月休んでいたのだけど、土曜にようやくオープンしたので様子を見に行ってみよう。行き慣れたスーパーが無いのは不便だった。