ニコちゃん備忘録

消化しきれない、もしくは覚えておきたいアレやコレたち

寝ていると すかさず上に 登る吾子

 私の掌よりも小さな顔。まあるい綺麗な頭。おでこだけ伸びた前髪。春だけどペコちゃんの手はモミジのよう。桜のようなほっぺ。薄くて水分を多く含んだ吸い付くようなすべすべでもちもちの柔肌。

 何にでも興味を持って、何でも手を伸ばして口に入れて確かめる。見たことがないものばかりの世界。最近のお気に入りはベビーミルクローション。それからブラシに、スマホに充電ケーブルにswitchのコントローラー。テレビを叩くことも大好きで、一度「ダメ」と大きな声で注意すると号泣した。

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 ニコちゃんのお気に入りはマインクラフトを主にプレイする登録者数200万人越えのマイゼンシスターズ。ひまわりチャンネルと姫ちゃんおうくん、かんあきチャンネル、こうくんねみちゃん、かほせいは変わらず大好き。かほせいの割合が高くなったような気がする。

 キッチンで使う用にステップを買ったら、「これニコちゃんのために買ってくれたの?」と超絶お気に召して、何をするにもそのステップを取り出して自分で物を取った。挙げ句の果てにはリビングに持って行って秘密基地の一部にして、キッチンで台が無くなって困っていた。

 ペコちゃん用に買ったクマの一人用のソファも、ニコちゃんのものになっている。秘密基地を壊すと怒られる。ニコちゃんが喜ぶかと思って買ったswitchのマインクラフトは、夜な夜なパパとママのオモチャになっている。パパとママは寝不足で、いつも後悔する。

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 濃厚接触者の登園制限が解除されて、明日から一学年上がって年中として登園できる。保育園歴は五年目に突入する。家が大好きで、保育園の休みを首を長くして週末までの夜を数えている。ペコちゃんも、通ればもうすぐ入園予定。離れたくないけれど、働かなければならない。働きたくないなぁ。ずっと一緒にいたい。

三月の 梅と桜と 立つ子哉

 九ヶ月ももう終わりを迎えようとしています。永遠のようで一瞬だった赤ちゃん期も、間もなく終わりを迎えようとしています。

 九ヶ月前に生まれた時は、自分で意図して物を持つことすら出来なかったペコちゃん。それが今や、「ごち」と手を合わせたり、欲しい料理を掴んで教えてくれたり、ストローでお茶を上手に飲んだり、何も持たなくても自分一人で立てたり、自立と意思疎通がとてつもないスピードで出来る様になりつつある。

 目が合うと「まあ」とママらしき言葉を発して笑ってくれる。納豆が好きで、今日の晩ご飯はほぼ納豆だけ食べていた。いつも笑顔でくっついて、かと思えばジェットコースターや山の天気のように機嫌が悪くなって泣き叫ぶ。そんなペコちゃんを見て、一日に何度も「可愛い」と口にする。

 一人遊びが出来る様になった。産まれた時からママと離れることに不安を覚えて泣き叫んで、ママに抱っこされるとピタッと嘘みたいに泣き止んでいた子が、トイレに閉じこもってブログを書いていても、泣かなくなった。

 色んなものを口に入れる。うんちをしている時はいつもの暴れん坊が嘘のように静止して、顔を真っ赤にする。お風呂が好き。乳児用の電子レンジで作る蒸しパンと、あとブロッコリーが大好き。永遠に食べている。

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 可愛い子と打って変わって、母は四年前に比べて明らかにガタが来ている。シングルベッドで四歳と〇歳と寝ていると、朝まで一ミリも動けなくて肩がバキバキで、膝は十八キロと六キロを一気に抱っこすると、ジャンパー膝になった。化粧は基本的に子ども用の日焼け止めと眉毛とアイシャドウとアイラインだけで、髪の毛にアイロンなんてもう五年ほど当てていない。

 白髪も生えたりして、少しずつ老いていく。コンタクトを買いに行っていなくて、ずっと眼鏡。髪の毛に油分と水分がなくなっていく。それなのに剛毛で多毛で針金みたいで、髪の毛を束ねていてもゴムが落ちていく。頑固さは私の性格に負けていない。

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 近くの花がたくさん咲く公園に、花見に行った。ただ花を見る時間は優美で、子どもたちがいなければ、こんな気持ちを知ることもなかったのだろうと思う。生まれて来てくれて、ありがとう。育てさせてくれて、ありがとう。子どもも夫も自分も実家の家族も大切に、自分の気持ちを押し付けすぎずに付き合いたい。

八月なる 吾子がヨイショと 誰の真似?

 そんなに言ってるかな。意識すると、何かにつけ「ヨイショ、ヨイショ」と繰り返していた。怖。

 赤ちゃんが八ヶ月になりました。首が座り、ずり這いまくり、腰が座り、一人で自由自在にお座りとずり這いを繰り返し、今日初めてハイハイ(高這い)をしました。凄い(拍手)

 ヨイショが言えるなら、パパも言えるんじゃないかと、ヨイショの代わりに「パパパパパパパパ」と言うようにしたら、「パ!」と元気よく言っていました。惜しい、あともう一歩。

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 実母から「アンタは幸せやなぁ。こんな可愛い子と毎日一緒におれて。私は一緒にいたくてもいさせてもらえへんかった」と昨日も言われて、素直に幸せだ、ありがとう、と思えました。ちょっと荷物(仕事)を下ろさせてもらって、気が楽になったのかな。自分の出来る量を把握して、欲張らないよう気をつけます。

スパイダーマンみたい

 ニコちゃんがパパに全力アタックして、パパを怒らせたので、謝罪を促したのだけれど、泣くばかりで謝らない。オモチャを手に取って遊び出したので、オモチャを取り上げて「じゃあママも謝らない。ニコちゃん大事じゃないって言ったらどうする?」と言うと泣く。

 「大事だったら謝るんやで。パパのこと大事やろ?」と聞くと、まさかの答えない。「ママのこと大事?」答えない。「ペコちゃんのこと大事?」「うん」それは答えるのね。

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 夫と二人だけの朝、ご飯を食べながらニコちゃんの「大事」について話し合う。「たぶん守るべき存在がニコちゃんにとっての『大事』なんやろな」と夫。同じ見解で安心する。

 夫が仕事に行ったあと、ニコちゃんが起きてきて、朝食を少し食べて、私にもたれかかる。昨日の夜、寝るのが遅くなったので、まだ眠いのだ。「パパとママはニコちゃんを守ってくれる?パパとママはヒーロー?」そう聞くと、肯定して、「スパイダーマンみたい」と答える。その答えに思わず笑みを漏らす。

 私だって、両親や先生が同じ人間なのだと思ったのは小学生くらいだったかな。「パパとママはヒーローじゃない」と喉まで出かかった言葉を飲み込んで、もう暫く全力でニコちゃんを守ろうと思う。ニコちゃんがヒーローじゃない、と気付くその日まで。

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 サンタ稼業に関しては、中学生になったら、「ニコちゃんもサンタの仲間入りだよ」って言ってあげたい。それまではプレゼントをあげ続けたい。

プリキュアとすみっコぐらし

 ニコちゃんの好きなもの。プリキュアとすみっコぐらしとYouTubeと煌めきパワーズとラブパトとコーンフレークとお手伝い。

 好きなYouTubeのチャンネルは、ひまわりチャンネル、かほせいチャンネル、ひめちゃんおうくん、はねまり、こうくんねみちゃん。音フェチのひたすらお菓子を食べる動画と、ヨーロッパのライフハックの動画、中国のアニメの動画も好き。YouTube中毒。

 パパとママとペコちゃん。じいじとばあばとおばあちゃんとおじいちゃんとひいおばあちゃんといとこたち。保育園のお友達と先生。

 ニコちゃんの嫌いなもの。怒られること、漢方、寝ること、パパとママに嫌われること。靴を一人ではくこと、トイレに一人で行くこと。

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 ペコちゃんの好きなもの。抱っこ、鏡。ママ、パパ、ねぇね。ペットボトル、ラップ、本、ティッシュ、リモコン、アンパンマンのピアノ。お粥、スナップえんどう、麦茶、ストローマグ。

 ペコちゃんの嫌いなもの。ママを遠くから見ること。眠たいのに寝れないこと。空腹、喉の渇き、うんちの不快感、鼻や耳を綿棒でほじられること。抱っこして欲しい時に抱っこしてもらえないこと。

 もうすぐ八ヶ月。人見知りがだいぶ無くなって、ママ以外に抱っこされても泣かなくなってきた。(眠い時やお腹が空いた時はダメ)実家に預けても、ママがいなくても泣かない。ママが帰って来て、ママの姿を見ても、泣かない。新生児や低月齢の時からすると、考えられない。想像できなかった。

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 どうしようもないことも、慣れていくし、変わっていくこともある。変わらないものも、変わるものもあって、臨機応変に自分を適合させていかないといけない。自分が大きく変わる時も、自分以外が大きく変わる時もある。変化はその時は大変だけど、慣れると快適になったりもする。

 大好きで、大事で、大切で、愛してる。踏み躙られても、腹が立っても、投げ出したくなっても、泣かれても、絶対に見捨てないし、見捨てられない。絶対に手を離さない、離して欲しいと言われるまでは。

 守りたい気持ち、守って欲しい気持ち。愛されているのは、子どもじゃなくて、私なのかも知れない。甘え過ぎず、甘えて、甘やかされて、叱って、叱られて、家族のカタチを作っている気がする。

育児は修行

 おはようございます。疲れているのに眠れない、いよいよ加齢を感じてきた今日この頃の私です。

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 育児は修行、そう思うことにしました。眠たくても寝られないのも、お腹を空いたのにご飯を食べられないのも、休みたいのにする家事も、心がささくれだっていても笑うのも、全部修行。クリアできたら、なんか違う世界が見られるかも知れない苦行です。

 修行だから、たくさんの気付きがある。自身のレベルアップもできる。けれども修行だから、辛くて苦しくてしんどい。耐えて耐えて耐えて耐えて、辛抱して我慢して自分の様々な可能性や時間を犠牲にしてひたすらに待つ。時間が過ぎるのを待つ。精力的な時は自ら学びに行ったりもする。

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 しかしこの修行には、稀にご褒美があります。最愛の人からキスをされたり、愛の告白を受けたりします。そんな時は天にも昇る気持ちです。生きてて良かった、生まれてきて良かったな、と思います。修行が無駄ではなかった気持ちも芽生えます。

 ごく稀のご褒美を原動力に、愛する人たちの笑顔を守るために、今日も修行に励みます。そんなこと言いながら、実母の電話に苛ついて、泣き止まないペコちゃんの声に頭が沸騰して、扉を思いっきり閉めてしまったよ………。

 それまで言うことを全然聞かなかったニコちゃんが、突然いい子になって、申し訳なかったけれど、助かった。少し休憩して、黒い気持ちの芽を摘みます。自分を責めすぎない。容量がいっぱいになってしまっただけ。整理して、いらないデータをバックアップしたり消したりして、正常に稼働できるようにします。

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 心と時間にゆとりを。乾太くん購入しようかな。

「おはよう」に愛をこめて

 おはようございます。もうこんにちはの時間かな。アイシャドウを上手に塗るオマセな4歳のニコちゃんと、シャワーヘッドに恋をする0歳5ヶ月のペコちゃんの母です。寒くなってきましたね。

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 ニコちゃんは挨拶をしない。「おはよう」「さようなら」「ただいま」を促してもしない。出来るのにしない。「ただいま」は最近言えるようになってきた。けれど保育園の先生に「おはよう」と「さようなら」が言えない。

「挨拶は元気かな、とか確認するためのものだよ。挨拶をしたら色んなことが分かるから挨拶するんだよ」と伝えても、しない。不審者かどうか見分けるには挨拶をするのだ、と伝えても、しない。挨拶は威嚇のような説明をしてしまったからなのか。

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 今朝、ニコちゃんを起こす時、感じたことをそのまま口に出した。「おはようは大好きって気持ちを込めてるんやで」おはよう、ニコちゃん大好きだよ。何度もそう伝える。「保育園の先生にも大好きの代わりにおはようって言おうね」とお願いする。

 朝ご飯に用意した小倉トーストにも柿にも目をくれず、プッチンプリンをお皿にプッチンして食べながら、少し離れたママに向かって「ママ大好きだよ」と伝えてくれるニコちゃん。「ママが大好きだからママのお手伝いするねんで」可愛すぎかよ。

 保育園に行くと、先生を前にして、「何て言うの」と促すと、「おはようございます」と言えたニコちゃん。先生も感動して喜んでくれた。「挨拶してくれたね〜!」私も嬉しくて頭をナデナデ。先生のこと大好きなんだね。良かった。

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 少し敏感な子だから、プラスの気持ちを伝えると上手く分かってくれるのかも知れない。マイナスの気持ちもプラスの気持ちも、どちらも過敏に受け取ってしまいがちだけど、あまり悲観的になりすぎず、出来ることを楽しんでいけたらいいな。